02 ゲームプログラムを指定する


ここではまず先に、ユーザーが作ったカスタムレベルが、どのようにしてDOOMで使えるようになるのかという仕組みを、おおまかに説明します。
レベルエディタでは、まず一つのマップを作る時に、ゲームの中のどのマップと置き換えるかという事を決めます。DOOMUでは、1から32までの間のレベルの番号で指定します。(初代)DOOMのタイプの場合は、エピソードの番号とその中のマップの番号の組み合わせで指定します。こうしてゲームの中でのマップの位置が決まると、レベルエディタは、出来上がったマップのデータにマップを識別するラベル名を付けて、WADファイルとして書き出します。このような、ユーザーが作った独自のWADファイルは、PWADと呼ばれます。それに対して、製品版に付属するWADファイルは、IWADと呼ばれます。
出来上がったWADファイルをDOOMに読み込ませるには、通常、コマンドライン引数で-fileオプションを使って指定します。しかし前にも述べた通り、現在ではDOOMのソースポートが数多く存在し、それらがオリジナルのコマンドラインオプションのすべてをサポートしているとは限りません。従って、使いたいDOOMプログラムが、どのようなコマンドラインオプションを持っているかを確認しておく必要があります。ただ、Windows用のソースポートであれば、余程機能を削ったものでない限り-fileオプションぐらいは残してあると思います。また例えば、DOOM COLLECTOR'S EDITIONで使われているDOOM95のように、ランチャプログラムがあって、その中からカスタムWADファイルを指定出来るものもあります。

このように、レベルエディタで作ったWADファイルを試す時には、-fileオプションを使ってDOOMを起動させればいいのですが、作成中のマップを確認したい時に、一々そういった作業をするのは煩雑なので、多くのレベルエディタがエディタ上からDOOMを起動させる機能を備えています。また、単にWADファイルを読み込ませるだけでなく、-warpオプションを使って、直接そのマップに行くようにして起動させるのが普通です。WadCraftでも、-fileオプションと-warpオプションを使って、この機能を実現していますので、少なくともこの二つのオプションをゲームプログラムが持っている事を前提としています。

そこでここでは、マップをテストする時に、どのゲームプログラムを使うかをWadCraftに設定する事をやってみます。もちろん、使いたいDOOMプログラムの事情でそれが出来ない、あるいはマップをテストする時でも直にゲームから指定して起動したいという時は、設定しなくても、マップを作成する上では問題はありません。

それではまず、WadCraftを起動させてから、「設定(S)」メニューの中の「ゲーム実行ファイルの指定...」を選択して下さい(図1)。



図1 ゲームプログラムを指定するメニュー項目

すると、図2のようなダイアログボックスが現れます。



図2 「ゲーム実行ファイルの指定」ダイアログボックス

ここで、「指定...」ボタンを押すと、標準の「ファイルを開く」ダイアログボックスが現れますので、使いたいDOOMの実行ファイルを選択します。また当然、このDOOMプログラムがあるフォルダにも、DOOM2.WADファイルがなければいけません。
最後に、「OK」ボタンを押して、選択を確定させます。この情報は、プログラムの終了時に設定ファイルに保存されて、次回以降はデフォルトのゲームプログラムになります。