DOOMにおけるセクター(Sector)とは、『床と天井の高さ、及びそれらのテクスチャ、そして明るさ(Light level)が同じである、一つの閉じられた領域』の事です。
セクターは、(上から見て)閉じた多角形であればどんな形でも構いません(凸多角形である必要はありません)。しかしもちろん、自己交差する多角形は無理です。
マップの中では、これらセクターは、部屋や廊下、あるいは階段のステップの一つなどになります。
ここでは、単純な四角い部屋を一つのセクターとして作ってみたいと思います。
その前に、座標軸に平行な直線を描き易いように、グリッドへのスナップ(吸着)を有効にしてみます。
ツールバーにあるグリッドボタン を押すか、または「表示(V)」メニューの中の「グリッド」を選んで、ポップアップメニュー(図1)の中にある「64」という数字を選択して下さい。
図1 「グリッド」ポップアップメニュー
画面には、やや濃い灰色の直線が等間隔で並んでいると思います。WadCraftでは、グリッドを表示している時が、その格子点へのスナップが有効になっている時です。グリッドの表示/非表示とスナップの有効/無効を別々に設定する事は出来ません。
WadCraftでセクターを描き始めるには、まず、Ctrlキーを押しながら、始点を置く位置でマウスの左ボタンをクリックします。これによって、「セクター描画モード」に入りますので、後は、ただのマウスの左クリックで多角形の頂点を配置していきます。この多角形を作る時の向きは、時計回り、つまり直線の進行方向右側がセクターの内側になるようにします。
多角形を閉じてセクターを描き終えるには、マウスのカーソルを始点の位置に合わせると、点の色が赤色に変わりますので(図2)、そこで左クリックをします。または、最後の頂点を置いた後にEnterキーを押すと、最後の点と始点とが結ばれて、セクターが確定します。
図2 セクターの描画
描画中のセクターの直線は、黄色で表示され、確定したセクターの直線は白色で表示されます。
描画中にセクターの作成を取りやめたい時は、Escキーを押します。また、途中で頂点を一つ前の状態に戻したい時は、マウスの右ボタンをクリックします。
それでは実際に、図2のような縦横の長さが64のグリッドで五個分くらいの四角いセクターを作ってみて下さい。
最後にセクターを作る時の注意点をいくつか述べます。
まず、WadCraftでセクターを作る時は、直線同士を交差させる事は出来ません。
セクターを作る時に、頂点を置く位置として、既に存在する直線や頂点にスナップさせたい時が多くあります。そういう時は、セクターの作成中に、マウスのカーソルを他の直線や頂点の上に持って行くと、色が赤色に変わりますので、その時に左クリックをします。ただし、作成中のセクターに属する直線や頂点にスナップさせる事は出来ません。
セクターを作る時は、途中で他のセクターの内部に入り込ませる事は出来ません。WadCraftでは、直線と直線が交差しようとした時には警告を出しますが、一度、他の直線や頂点にスナップさせてから、他のセクターの中に入り込ませてしまうと、警告を出す事が出来ません。
一方、セクターの完全な内部であるならば、セクターの中にセクターを作るという事が出来ます。