09 ビューの操作と画面の情報


ここではまず、マップの形状を表示しているウィンドウ内での、ビューの平行移動と拡大/縮小の仕方について説明します。
現在のところ、これらはキーボードのみの操作しかありませんので、メニューやツールバーには対応する項目はありません。

ビューをスクロールさせるには、キーボードの矢印キーを使います。この操作は、視点の方を矢印の向きに移動させるものなので、ウィンドウ内のオブジェクトは、矢印とは反対の向きに動いて見えます。Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと、動く速さが二倍になります。
ステータスバーの中の Center: と書かれている区画には、視点のマップ上での座標が表示されます(図1)。



図1 ステータスバー内のビューに関する情報

また、視点を座標の中心に戻したい時は、Cキーを押します。

ビューを拡大するには、Iキーを押します。また、縮小する時は、Oキーを押します。Shiftキーを押しながらこれらのキーを押すと、二倍の早さで拡大/縮小します。
ステータスバーの中の Scale: と書かれている区画には、倍率が表示されます。
倍率を1.0に戻す時は、Rキーを押します。

マップの全体が表示されるようにするは、Aキーを押します。このコマンドを実行すると、表示倍率と視点の位置が自動的に調整されます。

これらのような、WadCraftで使うキーボードのキーの機能については、キーボード操作一覧にまとめてあります。

ここで、DOOMにおけるマップの大きさと単位について少し説明をしておきたいと思います。
まず、頂点などのマップ内の要素の座標は、WADファイルの中のデータとして収められる時は、16ビットの符号付き整数値(short型)として表されます。従って、マップ内の要素の座標は、-32768から+32767の範囲を超える事は出来ません。実際にはその他の要因の制限が絡んで、作れる最大のマップの大きさは15000四方くらいだと言われています。
このDOOMのマップで使われる座標の単位を、現実世界のメートルやインチに直すといくつになるかという問題については、決まった値はありませんが、DOOMの座標系での一単位は現実世界での2,3センチに相当すると言われる事があります。しかしそれよりも、プレイヤーの背の高さが56であるという事を目安にした方が分かりやすいと思います。
また、マップの座標の単位は、テクスチャ画像のピクセルとも対応しています。例えば、壁の高さが128だった場合は、高さが128ピクセルのテクスチャを貼ると、ちょうど縦の長さが一致します。
ちなみに、DOOMで使われる画像のほとんどは、ゲーム中で見るよりもやや横長に見えますが、これは、オリジナルのDOOMが使う320x200の解像度では、4:3のディスプレイの場合は、ピクセルの形が正方形ではなく縦長の長方形になるので、その分を計算して、あらかじめ横長の画像として作ってあるからです。ただし、床と天井用のテクスチャだけは、縦横の比率が同じです。
そのため、正確に言うと、DOOMでの水平方向の一単位と垂直方向の一単位の長さは同じではありません。

最後に、WadCraftのタイトルバーに表示される情報について説明しておきます(図2)。



図2 タイトルバーの表示

プログラム名の右にある角カッコの中には、マップファイル名と、ゲームマップ、つまりゲーム中のどのマップと置き換わるかが表示されます。さらに、マップファイル名の右側には、マップが変更されて、かつ、未保存だった場合は、*マークが付きます。
WadCraftでは、ビルドした時は必ずマップファイルも保存されます。ただし、プログラムの終了時に、変更されたマップが未保存でも、保存するかどうかの確認のメッセージは出しません。